オラ!エスパニョール!! ⑦【マラガへ プチ冒険?】
El Caminito del Ray(エル カミニート デル レイ)“王の小道”と訳す。インターネットに打ち込むと、「スペインの断崖絶壁にある最も危険な道」と見出しが出る。NHK・BSでスペインの旅番組があり、その中で紹介されていたのがエルチョロにある“王の小道”だった。「スペインに行ってみたいけれど・・・もし行くことになったら、ここ必ず行こう!」 「ウン、行こう行こう!」番組が終わっての会話だった。

エルチョロについてはどのガイドブックにも乗っていなかった。Google map で まずエルチョロを探した。mapを拡大したり縮小したりして経路を探った。グラナダからは、鉄道はつながっているようだったが、“どこ行き”に乗ってどこの駅で乗り換えて、乗り換え列車は“どこ行き”なのか、所要時間? 接続時間? 全くわからなかった。スイスでは観光用公式ホームページが非常によくできていて、行先の駅名を放り込むと乗り換えの時間はもちろんプラットホームの番線まで出てきて、大いに助かったのだが・・・、スペインは そうはいかなかった。
何もわからないまま、前日市庁舎のインホメーションを訪ねると、“English窓口のナイスガイ”がとても親切に調べてくれた。エルチョロへは、グラナダ・バスターミナルから出る高速バスで「マラガ」に行き、マラガで国鉄に乗り換えると4つ目の駅がエルチョロだった。時刻も調べてくれて、日帰りも十分に可能ということが分かり、小躍りしたくなるほどうれしかった。
それでも小さな不安はいくらでもあった。「グラナダ・バスターミナル」は、翌日のコルドバへの移動のための長距離バスが出るところで事前に行き方など調べはついていて、ホテルからはタクシーで行かれる距離で、バスの座席は(日本の)出発前に予約済みでチケットは手元にあったが・・・、マラガ行きのバスの予約は当然なし。切符は上手く買えるか?高速バスは朝の7時発だけれど、早朝は タクシー簡単に捕まえられるのかな?マラガのバスターミナルと国鉄駅の連絡は?(Google mapでマラガ・バスターミナルが見つからなかった。ちなみにグラナダのバスターミナルは国鉄駅とは全く別の場所にあるし・・・マラガは??)

4月1日(スペイン5日目)4時半に起床、前日 橋のたもとのスーパーで買い込んだ食材と、日本から持参の“おじや”で朝食を済ませ、大粒のイチゴをデザートに食べ、余ったイチゴとパン屋で買ったケーキをザックに詰めた。ホテルを出るとまだまだ外は真っ暗で人通りはなく、ライトをつけた車がロータリーから曲ってきたがタクシーの来る気配はなかった。前日チェック済のロータリーのタクシー乗り場に行くと客待ちのタクシーが数台列をつくっていてホッとする。
タクシーは夜の明けきらない街をたっぷり20分も走っただろうか、バスターミナルに到着、走ったわりに料金は安かった(シメシメ!)。チケット売り場は入口左手にあったがまだ開いていなかった。大きな電光掲示板で7時発のマラガ行きを確認、ついでに乗り場偵察のためエスカレータで一つ下の階に降りた。発着所は広くて行先は相当数あり、スペインでは高速バスが重要な交通手段であることが容易に想像できた。チケット売り場に戻りまだ開いていないチケット売り場の列に並んだ。
やがて窓口が開き、Malagaと書いたメモ紙を見せ、指を2本立てると2枚のチケットを購入することができた。チケットには座席番号らしきものが印刷されていた。満席のマラガ行き高速バスは定時の7時に出発した。まだまだ夜の明けていない街を抜け高速に乗り起伏のある丘陵地帯を疾走するころ、やっと空が白みはじめ遅い朝がやってきた。
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    満席のバス

高速バスは民家などほとんど見当たらない丘陵を緩やかにカーブを描きながら一時間半ほど疾走すると急に辺りが開け大きな街が出現しどんどん近づいていった。高速道路を降りると何度か赤信号で停車を繰り返しながらマラガの街の中心街へと向かっているようだった。
列車の駅らしい立派な建物の前を右折すると、そこは大きなバスターミナルになっていた。定時の8時45分、国鉄駅に隣接しているバスターミナルで高速バスを降りた。まずグラナダへの帰りのバスの座席を確保した。これでグラナダには戻れる と一安心して、国鉄駅に向かった。
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 マラガ駅正面出入り口         駅前通り       ピカソの絵が飾られている 駅構内  
 
国鉄の駅舎は古めのバスターミナルとは違って新しく広々と開放的で好感が持てた。発射時刻の表示された大きな電光表示板で確認すると10時05分発の列車は1本だけで、行先はロンダとなっていた。
数か所ある窓口には切符を買い求めている人は一人もいかったので、気兼ねすることなく色々聞くことができた。エルチョロからの帰りの列車時刻は事前の調べでは18時02分発、マラガ着18時50分だったが、エルチョロを15時13分に出る列車のあることが判明、その列車で戻ることにして往復切符を購入した。
グラナダへの戻りのバスは、事前に調べていた帰りの列車時刻に合わせて20時発を予約したばかりだったが、1本前の列車に乗るとマラガには15時52分に着くので、マラガでまるまる4時間の待ち時間を得られることになり、俄然張り切りだしたカミさんはガイドブックでマラガの街を調べだした。
ちなみにマラガは地中海に面したリゾート地で一年のうち360日晴れると言われていて、なんとあの天才画家“ピカソ”の生誕の地であるとか、どうりで・・・駅舎にピカソの絵が何枚も飾られている訳が理解できた。
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 各駅停車だったが、特急列車のようにきれいな車両でした。なんか得した感じ!

プラットホームには改札口はなかったが、荷物のセキュリティーチェックを受ける必要があった。列車は普通列車だったがきれいで空いていた。定時に出発した列車はすぐに街を抜けて、のどかな田園風景が広がる中を快適に進んだ。ザックからイチゴとケーキを取り出しお茶を飲んでいるうちにあっという間に40分がたち、めでたくエルチョロ駅に降り立つことができた。


オラ!エスパニョール!! ⑧【エルチョロ・・・王の小道】
エルチョロ駅に降り立つと、目の前には真っ青な空をバックに巨大な岩壁がそそり立っていた。「な・なんだ この景色?!」 予期せぬ景色に不意打ちをくらったようなそんな第一歩だった。
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            エルチョロ駅・我に返ってシャッターを押しまくる

プラットホームには駅舎のようなレストランがあり、オープンテラスには登攀具がおかれていてどうやらロッククライマーのたまり場になっているようだった。駅前広場との間に垣根はなく、広場の左手にはおしゃれなレストラン兼プチホテルが一軒だけ建っていて、広場を挟んだ向かい側はダムになっていた。駅前広場の地図を見ているうちに同じ列車から降りた人たちは誰もいなっくなっていた。
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クライマーが集う駅舎レストラン  広場を挟んだダム湖   駅前の坂道を下る

右手のゆるい坂道を下って行くと解放されたゲートがあり、見覚えのあるチケット売り場のような建物が建っていたが人影はなかった。BS番組ではここでヘルメットを借りていたはずだったが・・・。ここから道路は埃っぽい砂利道になった。やがて右手に大きな岩壁が見えてきた。これがクライミングで有名な岩なのか?!どこかにクライマーがとりついているはずだが、ルートがわからないのでクライマーを見つけることはできなかった。その先で道は川沿いにまっすぐ進む道と、上に上がっていく道とに分岐していたが、標識らしきものは見当たらず、どちらに行こうか迷っていると外人の女性がいて、「主人が道を確かめに行っているの」と話しかけてきた。我々もご主人の報告を待たしてもらうことにした。すぐに軽快な足取りでご主人が戻ってきたが、どうもはっきりしないということだった。川沿いの下道のほうが正しいような気がしたが、彼も同じ意見で下道を行くことにした。カミさんの足が悪いのでゆっくり行くから先に行くようにと促すと、笑顔で手を振り二人はどんどんと先に進んでいった。
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   川沿いの道を行く       分岐の石橋       王の小道を発見・でも通行止めでした

しばらく進むと真正面に大きな岩壁が出現その壁に一筋のラインが・・・伸びている。王の小道だっ!すると先にいった外国人夫妻が手を振りながら戻って来た。「ゴメン、ゴメン、道はこの先で行き止まり、正しいのは上の道だった!」二人はスコットランドからバカンスで来ていて、ご主人は大のハイキング好きだとか。お先にどうぞ!と先に行ってもらい、ゆっくりと分岐まで戻り、相変わらず埃っぽい上の道をゆっくり登っていくと、再び先ほど見た岩壁が見えてきた。さらに進むと壁を横切っている真横の線が、歩道であることがはっきりと解る近さになった。
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  気を取り直して上の道を行くと、今度こそ小道の全容が見えてきました

興奮を覚えながらなおも進むと絶壁にへばりついている歩道に人影が見えるようになった。王の小道が手の届くところになった時、先ほどのスコットランド人が戻ってきた。小道はあらかじめインターネットで予約していないと立ち入れないと、とても残念そうだった。それを聞いてこっちもがっかりした。足の具合の悪いカミさんは短いが急な階段の上り下りがつらいというので一人残して、入口まで行くことにした。ゲートに行くと係員一人いて、ヘルメットを着けて戻ってくる観光客をゲートで迎え入れているところだった。“スコットランド人”が交渉して駄目だったんだからと諦めて、写真だけ撮ってカミさんのところに戻った。
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        それにしてもなかなかの高度感で迫力満点だ
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      予約が必要だったとは・・・残念!歩いてみたかったなぁ

砂利に足を取られないように帰り道をゆっくり下って行くとスコットランド人が仲良く道端に座って手作りのサンドイッチを頬張っていた。軽く言葉を交わしてそのまま先行する、二人ともとても明るくフレンドリーで特に奥さんは話好きで、とても感じがよかった。分岐に戻ると左手に上がる踏み分け道があったのでそちらの道を行くと左手の大きな岩壁の見通しがよくなり、目を凝らすとクライマーが壁にとりついているのが判った。追いついてきたスコットランド人と四人で目を凝らししばし眺めていた。
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    固そうな岩でなんともよさげ 登ってみたかった     クライマーをズーム

駅に戻るとさすがに空腹を覚えたので、左手のレストランで野菜サラダとパスタをひとつづつ注文シェアをしてランチを取った。ビールシェアせずカミさんが一人で飲んだ。とても満足そうだった!
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       レストランで小腹を満たす             すっかり仲良くなりました

15時13分発の列車にスコットランド人夫妻と四人掛けの椅子に座り楽しくおしゃべりをしながらマラガまで戻った。二人は旅行好きで色々な国に行ったとか、特にスペインは好きでもう、20回くらい来ているのだとか。スペイン以外でどこの国が好きかと尋ねるとネパールが良かったヨッと二人口をそろえて言っていた。マラガまでの40分はあっという間に過ぎた。プラットホームでハグをし、固い握手をして別れた。名前はウイリアムとケイトで英国王子夫妻と一緒だから忘れないでしょ?!とても楽しいエルチョロだったなぁ。

ラッキーが転がり込んできたマラガの4時間、イスラム教支配者の城塞として11世紀に建てられたというアルカサバ/ヒブラルファ城に、タクシーで登って行った。中世の城から見下ろす地中海の美しいリゾート地の街並みはいくら眺めていても決して飽きることのない異次元の空間だった。偶然知った“マラガ”だったが、バルセロナに勝るとも劣らない魅力あふれる素敵な街のようですっかり気に入った。
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      城塞からは地中海とマラガの街の展望が素晴らしかった

20時発の高速バスは運転席の真後ろの特等席だった。おかげで高速道路のドライブを堪能したが、バスの揺れが心地よくいつの間にか眠りこんだ。グラナダに帰り着くといつの間にか外は暗くなっていた。達成感のある最高に楽しい一日でした。

     まだまだ つづく
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2016.04.16 / Top↑
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