蒸気船で着いた旧都ルツェルンは、美しい湖の向こうにアルプスの山々を控え、フィアバルトシュテッテ湖から流れ出るロイス川を渡ると旧市街に入る。旧市街は迷路のように入り組んだ石畳の路地が中世を忍ばせる。
ちょっと無理をして実現させたスイス旅行、25日、26日の最後の2泊をルチェルンの旧市街、ロイス川のほとりに建つ三ツ星ホテル デ・アルプス(DES ALPES)で過ごした。帰国前日の26日(土曜)は まるまる一日時間があったが天気も思わしくなく、さすがに疲れていたこともあり リギ鉄道でのリギ山はあきらめ、ノンビリと市内観光にあてた。ヨーロッパの古都の雰囲気を味わい、チーズフォンデューを味わい、土産の買い物を楽しむこともできた。
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カペル橋とホテル   ムーゼック城壁から街を見下ろす  ルツェルン駅から空港へ向かう

27日i-padで列車の時刻を調べ、一時間列車に揺られてわずか10日前にキョロキョロしていたチュウリッヒ空港に無事戻ってきた。30分遅れで飛び立った満席の成田直行便スイスエアーのシートに座り、小さな窓から目を凝らすと眼下に街が見える。必ず も一度スイスに帰って来よう、そんなことを話しながら座席シートを少しだけ倒して長い帰路に備えた。
スイス スイスイ Ⅴ  【ホテル デ・アルプスとカペル橋】

ウイリアムテルの蒸気船を降りた桟橋とルツェルン中央駅は直結していた。ホテルを探す前に、サンモリッツから送った荷物を受け取らなければならない。広い中央駅だったが インフォメーションはすぐに分かった。事務的に答える案内人の女性にう無言でなずき、今来たばかりの通路を引き返し途中で地下に降りると、荷物の引取所もすぐに分かった。そこには ウイリアムテル特急で一緒だったアメリカ人夫妻が荷物を受け取ろうとしていた。又会いましたねと挨拶、奥さんは脳梗塞でも患ったのか、半身が不自由で杖を頼りに足を引きずっていたが、特急から蒸気船へと御主人が優しくエスコート、アメリカからの“ねぎらい旅行”と勝手に決めつけたくなるような微笑ましい二人連れだった、年齢は我々とほとんど同じくらいか・・・。荷物を受け取りエスカレータで地上に上がり互いの幸運をねがって笑顔で別れた。
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      駅前広場            中央駅

バスや車、人でごった返す駅前広場を信号で渡って、フィアバルトシュテッテ湖から流れ出るロイス川に架かる橋を渡りながらきょろきょろしていた相棒が、ロイス川沿いの建て込んだ建物の中にスイス国旗を掲げた三ツ星のホテル デ・アルプス(DES ALPES)を発見(やったぁ~!)。入り口が解りにくいと書いてあったので、カンを頼りに 駅で受け取った大きなバッグが壊れてしまうのではと心配したくなるほどガタゴトガタゴトと石畳の路地を引きづりながらホテルの入り口にたどり着いた。フロントで部屋のカギと外出する時のカギのシステムの説明を受け、取り放題のウエルカムのリンゴを4個もって狭いエレベーターに乗り込んだ。
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ホテル デ・アルプス発見   国旗がはためいています    ホテルとロイス川

部屋に入った途端にショックを受ける。たまたま部屋に入る前に向かいのベランダ付き“リバービュー”の部屋のドアが開いていたので何気なく覘いたのだが、我々の部屋との落差は相当なものだった。暗い部屋は狭くて、小さな窓が一つだけ、お蔭様でまだ入ったことはないが、想像する牢獄にかなり近いのでは っと思わせる部屋だった。コードが巻きつかれた扇風機を棚から降ろしながら部屋代をケチったことを悔やんだ。どうせ寝るだけだし、我々の部屋代が安かったのではなく、向かいの部屋が高かっただけの事・・・我々の気持ちを切り替えるまでにはしばらくの時間が必要だった。
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   カペル橋(下流から)     混雑するカペル橋    橋からホテル デ・アルプス

荷物を整理して、街に出てみた。ルツェルンのシンボル カペル橋は、14世紀前半に敵の侵入を監視する巡視路としてつくられたとか、屋根付きの木造で長さは204m、ホテルの目の前にかかっていた。ロイス川の流れは速いが水面をよく見ると水は澄んでとてもきれいで冷たそうだ。下流にはもう一つ木造屋根つきのシュプロイヤー橋がかかっている、何でも1408年の建造だとか。旧市街に戻って路地を歩きまわる。広場には古い噴水があり、レストランや、土産物、雑貨店、売店などが狭い石畳の迷路のような路地に軒を並べている。
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  石畳の広場、      二手に別れていっそう早くなる流れ・下流にはシュプロイヤー橋が

どこの路地裏に入って行っても治安に関しては全く心配することはなかった。日本の見知らぬ街の繁華街より緊張感が湧かないくらいだ。どこにいるのかわからなくても、適当に歩きまわっていると突然ロイス川に出て、カペル橋が目に入った。夕食はレストランに入るのが億劫で牢獄部屋に戻ってゆっくり取った。



スイス スイスイ Ⅴ  【最後の日は ルツェルンの街歩き】

27日朝、普通に目覚めたが珍しいことになかなかベッドから起き上がれなかった。さすがに疲れているのかベットの中で雨音を聞いていた。雨と疲れでリギに行きたいという気持ちは失せていた。ヨタヨタとレストランに降りていくと結構混んでいて、一番奥の席に案内された、いつものように相棒はコーヒーを私は紅茶を頼んだ。朝食は毎日パンだったが、日本でも毎朝パンなので、朝食のパンは全く苦にならなかった。好物のハム類は美味しくて、幾種類もあるチーズのどれもが美味しかった。
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  可愛らしいバスです    バスの内部はこんな感じ   日本語の案内テープもあります

旧市街を中心に回る観光バスと言っても、遊園地のアトラクションのような小さな車両が連結された子供が大喜びしそうなバスに乗ることにして、発着所を探す。するとUターンして向かってくるブルーの可愛らしいバスを発見、急いでついて行くと発着所についた。愛想のいい運転手から切符を買ってバスに乗り込む見晴らしがいいようにと三両連結の一番後ろの車両のそのまた一番後ろの席に座る。子供ずれの乗客が何組か乗ってきてバスは走り出した。乗車券を買ったときに渡されたイヤホーンを差し込み、日の丸の国旗がえがかれたスイッチを押すと、日本語のガイドが流れてきた。バスは前日散策した、旧市街の狭い路地を器用に曲がりながらゆっくり進む。ガイドが流れるイヤホーンは耳に差し込んだままだが
耳よりも目の方に集中して、“おとぎバス”を楽しんだ。
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 旧市街地の路地から路地へ、もちろん大通りも大手を振って走りまわります

一時間ちょっとの市内観光を終え、何となく街を歩いていると、大きなチョコリートショップがあったので土産でも買おうかと中に入った。色々な種類のチョコレートがパッケージされていてどれを買おうか迷う。友人の家族の顔を浮かべながら買い物かごにチョコレートを入れていく。レジに行くと美味しそうなサンドイッチがあったのでそれを買い、いったんホテルに戻ってチョコレートをホテルの冷蔵庫にしまい、買ったばかりのサンドイッチで昼食を済ませて又外に出た。
時折雨が降ってきて、傘をさしたり窄めたり.観光バスで素通りしたばかりの、瀕死のライオン像を改めて見に行った。生活のために他国で戦った傭兵を悼たみ、傭兵をライオンになぞられてつくられたもので、心臓を矢で射ぬかれた瀕死のライオンの悲しげな表情が印象的で、二度と悲劇を起こさないという、永世中立国スイスの気概を感じる物だった。
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     早い流れ         シュプロイヤー橋       瀕死のライオン像    

旧市街の北側に残されたムーゼック城壁を見にゆっくりと坂を上っていった。カンを頼りに登って行ったが、どんぴしゃりで城壁にぶち当たった。ムーゼック城壁は14世紀につくられ街をグルリ取り巻いていたらしいが、取り壊されて今は街の北側に900mだけ残されていて、塔がいくつかあるとのことだったが、古くて大きな時計がかけられている時計塔に登ってみた。この時計は1535年につくられた時計で仕掛けだけで数階分あるとてつもなく大きな時計であった。塔のてっぺんに上がるとルツェルンの街が小雨に煙って見渡すことができ、彼方にファィアバルトシュテッテ湖が望まれた。城壁の上を端まで歩いて街に戻った。
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    城壁に向かって      城壁から街を見下ろす 城壁を人が歩いています

相棒が前日見つけた、何でも有名らしい刃物屋に入り、セラミックの包丁を何本も買い込むのに付き合った。トマト切専用ナイフは感心する位にトマトが旨く切れて、帰国後しばらく、トマトばかり食べさせられた気がした。
最後の晩餐はチーズフォンデューを食べようと、ガイドブックで調べた店を探すと、人気店なのか、満席だったがしばらくすると席があいて案内された。東洋人の女の子が座った席の係りのようで、オーソドックスなフォンデューをオーダーすると、ビールではなくワインを飲めと進めるので素直に従った。やがてフォンデューが運ばれてきた、食べ方は分かるかと尋ねられたので教えてくれと言うと、パンをフォークにさしチーズが焦げないようになべの底をパンでかき混ぜながら食べろと教えてくれた。パンもおいしかったが、小ぶりのじゃがいもが美味しかった。
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   城壁をくぐり再び市街地に降りていきます        フォンデューのレストラン

十分に満足して路地を歩いてホテルに戻るがまだまだ外は明るい、ロイス川沿いの売店で口直しのアイスクリームをなめていると、水着の男女がロイス川に飛びみ、仲間からやんやの喝さいを浴びていた。そのうちに泳ぎの達者な男女が流れの速い中心部に向かって泳いで行く、さすがに疲れた様子でカペル橋の橋げたで休んでいると、二人に比べると泳ぎがあまり得意そうでないおデブちゃんの男性が橋げたに向かって泳ぎだした。仲間のやんやの声援と川沿いのオープンカフェの全員がはらはらしながら見守る中、流れに逆らいながら、一度は流されかけながらも何とか二人のいる橋げたに辛うじてつかまり、廻りから安堵のため息が聞こえてきた。仲間からは「さよなら~!」のヤジが飛んでいた。かなりの時間休んだ後、早い流れに乗りながら斜めに泳ぎ、少しづつこちらの岸に近づいてくる、おデブちゃんは泳ぎの上手い男女に見守られながら、何とか船着き場に上陸、オープンカフェからは一斉に拍手が起こった。仲間のところに戻る泳ぎの上手い男性と目があったので、親指を立ててナイス!と声をかけると、得意げに親指をたてて返してきた。
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  見ているだけで寒い    流れの速い真ん中で泳ぐ   アベンシスのタクシー

話は全く変わって、スイスの自動車事情、タクシー&自家用車で気が付いたことなのだが・・・。10日前スイスへの第一歩をしるしたチュウリッヒの街に出ですぐに気付いたのだが、タクシーはセダン型は皆無、ワゴンタイプの荷物が後ろに積めるタイプばかりで、ドイツ車と並んで日本車が実に多かった。日本ではほとんど見かけることのない私の愛車の英国生産トヨタ車“アベンシス”がタクシーとして多数走り回っているのを見かけた。因みに サンモリッツではタクシーではないが、冬の雪道を見越してかインプレッサー、フォレスターのスバルの四駆車が非常に目立った。ルツェルンに来ると、冬場の積雪が少ないのか、チュウリッヒ同様アベンシス(前輪駆動)のタクシーを多く見かけてやっぱり嬉しく感じて、思わずシャッターを押したしだい・・・でした。


 まだ続きます



スイス スイスイ Ⅴ  【いよいよ帰国 必ずまた来よう!】

27日 ついにスイスを離れる日が来た。朝オープンと同時にレストランに降りていくとすでに何人かの客が朝食のテーブルについていた。毎朝毎朝10回も繰り返せばさすがに慣れたもの、要領よくそれぞれ好みのハムとチーズとパンにゆで卵をテーブルに運ぶ、今朝も相棒はコーヒー、私は紅茶だっ。ちょっとだけ隙間の開いている隣の席に 「よろしいですか?!」と東洋人の若い二人連れが座った。(新婚旅行だろうか?)相棒が国はどこなのと尋ねると韓国だという。韓国人は英語上手いねっと相棒がつづけたら嬉しそうに「ありがとっ!」と日本語でお礼が返ってきた。

前夜パッキングを終えていた大きな荷物を引きずりフロントでチェックアウト、石畳の路地から大通りに出てゆっくりと荷物を押しながらルチェルン中央駅に向かう。立ち止まっては湖を眺め、カペル橋を振り返る。高曇りではあったが、涼しげ気持ちのいい朝だった。
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駅で荷物を預けると 荷物はそのまま成田空港まで届く手筈になっている。ザック一つと身軽になって入線してきた急行列車の2階席に座る。列車はがらがらのまま静かにルツェルン駅を発車した。いよいよスイスを離れるのかぁ・・・そんな実感んが湧いてきた。後ろ髪をひかれる思いと、充実したスイスの旅に満足感とが入り混じった気持ちで、緑の広がる車窓を眺めていた。一時間で見慣れたチューリッヒの空港駅に到着した。
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飛行機の出発までには3時間あるのでゆっくり買い物でもっと思ったがどっこい、スイスエアーのカウンターの前は黒山の人だかり、これほどの行列で皆間に合うのかとちょっと心配になる。それでも何とかチェックインを済ませ、相棒が義理の息子にどうしても買いたいとモンブランの免税店を探してだし気に入りの万年筆を何とかゲット。走って免税の手続きもどうにか済ませたところで時間切れ、娘への土産は次回に(あればっ!)・・・。
成田への直行便のスイスエアーの搭乗口にたどり着くと、複数の日本人ツアーの団体がワイワイ、ガヤガヤ。それで一気に現実の世界に引き戻されてしまった。「やっぱり 日本にかえるのかぁ・・・。」できるだけ団体から離れた席で搭乗を待った。
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スイス旅行経験者の誰もが絶賛したツェルマットのマッターホルン、グリンデルワルドにベルンも魅力のある街らしい。それらは初めから予定に組み込まれていなかったので未経験は当たり前だが、今回の最大の目的だったピッツベルニナのビアンコグラートは天候に恵まれず数日間に渡ってチャンスを待ったが拝むことはかなわなかった。セガンティニ小屋へは私は行くことができたが、相棒は膝の回復が遅れて、登ることができなかった。反対に私はロゼック谷での馬車に乗ることはできなかった。ほとんど外国経験の少ない我々だが、「次も又スイスだねっ!」日本に向かって飛び立ったスイスエアーのシートにもたれると、普段はなかなか意見の一致をみない我々だが、ここは異議な~し!久しぶりに意見がピッタリ合いました(笑)。
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個人旅行を満喫した今回の旅 『スイス スイスイ!』 無事終了。

絶対にパート2を実現させるぞっ!!    


  
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2014.07.30 / Top↑
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