7月23日から28日の日程で、北アルプス剣岳八ッ峰六峰Cフェース、Aフェースの登攀目的で入山したが、
梅雨前線が動かず連日の雨で、別山乗越に上がるのがヤットという状態での敗退となってしまった。
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  敗退 (無念の下山)

北アルプスの岩場を登ってみたいというのが長年の“夢”だった。
小樽・赤岩に通いだした頃、なので7,8年位前になるのだろうか、パートナーに恵まれちょっとづつ岩に触れる機会を得たある日 昭和47年1月13日の日付が手書きされた第2次RCC著「日本の岩場」をめくっていて、自分の力でも登れそうなルートを発見した。それが剣岳の八ッ峰六峰Cフェースだった。そのルートを発見した時から、“夢”が“目標”に変わった。

メンバーは、4年前の大雪・クワウン川、2年前の八ヶ岳・小同心クラック のパートナーだった学生時代の後輩で、山岳ガイドの長澤君と東京の沢登の名門山岳会S所属の村山君の二名、23日からという日程が決まったのは昨年暮れだった。

計画は23日札幌発、24日入山真砂沢テント泊、25日アタック、26日予備日、27日立山駅旅館にて学生時代の山仲間4名(剣岳一般ルート)と合流、合計7名での宴会と言うのが大まかな予定だった。

出発前日の週間予報も厳しいものだったので、立山合流剣岳組4名はこの時点で中止を決定、長澤、村山両君も中止が念頭にあったようだが、今回を逃すと憧れの岩場がかなり遠ざかてしまう私としては、26日曇りの予報にかけ、ちょっと強引に計画の実行を主張、結果 パートナーには迷惑をかけてしまったが、計画の段階で25日、26日に梅雨が明けていないというリスクは承知の上だったので、敗退も想定内ではあった。
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   快適?ビバーク

23日立山駅下の公園の東屋にビバーク、学生時代に戻って宴会を楽しむ。24日朝からかなり激しい雨となったが、予備日の26日が曇りの予報だったのでそれにかけて、雷鳥沢ヒュッテ泊に変更、25日に真砂沢に入り予備日の26日にアタックに計画変更、雨の立山駅で午前中をつぶす。

昼過ぎに立山駅出発。雨の中ケーブル、バスと乗り継いで室堂着、登山者と観光客でごった返すバスターミナルで雨が小降りになるのを待つも、止みそうもないので、雨具着用で歩き出した途端に雨がやむ。
小一時間かけて雷鳥沢に到着、この時点で雨が止んでいたので、テント泊とする。

ヒュッテにビールと日本酒の買い出しに。豚に牛、野菜も豊富な焼き肉メニューでビールに、酒、持参の焼酎、ウイスキーで大宴会、周辺の山々は相変わらず どんよりとした雲に覆われていたが、26日は登れると信じて雄大な立山の自然に包まれて久しぶりに学生気分を味わう。
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  雪渓に掘られた登山道       雷鳥沢サイト

夜中テントをたたく雨音で目覚める。予報通りだ、時間は午前の1時半明け方には止むとの予報を信じて眠ろうとするが、ウトウトしては雨音ととなりの寝返りで目覚める を繰り返す。

25日前日炊いたご飯を温めなおして食欲のない胃袋に無理やり押し込む、雨は一応上がったが時折パラパラとくる、26日の予報が曇りから時折小雨となり悪い方に変わりつつある。
ここまで来たので兎に角別山乗越まで上がってみることにして出発、小さな雪渓を越えて乗越への急登が始まる。クライミングギヤア満載のザックは間違いなく20㎏は超えている、最初から二人には先行してもらいマイペースで登る、なかなかペースが上がらない。
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    悪天をついて         ガスの登り

登山道は整備されているが、ジグを繰り返す登りは、いよいよ斜度をまし、時折岩にてをついて、体を持ち上げる。ガスが濃く、別山乗越の小屋は全く見えず、覚悟を決め上を気にせずに、少しづつ体を持ち上げていく。そのうちに着くだろう、これさえ登っちまえば剣沢へは下るだけだ。
兎に角忍耐強くマイペースでひたすら登る。

途中早月尾根を登ってきたという鹿児島から来た単独行者としばらく立ち話をする、前日剣の頂上からの下りで激しい雨となりかなり苦戦したとのこと、無理しないでという励ましをもらい別れる。相変わらずピッチが上がらない、苦しいというよりは全体に力が出ない、それでも登るしかなく、半歩でも上を目指す、最近は山に登ればこのような状態ばかりなので、この状態から粘るのを覚えた気がする。

ふと気が付くと左手上に小屋らしき建物が霧の中にかすかに浮かんでいる、やっと乗越に着いたか、最後の力を振り絞り乗越に上がる、左に見えた建物はトイレで、右に立派な山小屋が、入り口に村山君と長澤君のザックが置いてある。長澤君がちょうど小屋から出てきて、中に招き入れられる、だいぶ待ったようだ。

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  ガスの別山乗越小屋

二人に話があるんですがと声をかけられる。26日の天気は悪い方に向かっているようで、ほぼ八ッ峰の登攀は絶望的であり、この時点で中止としませんかという内容だった。
ここまで引っ張ったし、乗越まで上がったし、あくまでクライミングが目的だったので、その場で無念の中止を受け入れる。
長澤クンのブドウパンを食べ、水分を補給して今苦しんで登ってきた道を下る。下に行くにしたがって薄日も差してきたが、どっかり腰を下ろした梅雨前線は間違いなく明日も動かないだろう、今回の中止は仕方ないが次があるのだろうかそんな事をしきりに考えながら、今度は二人に遅れずに急斜面を降りる。
はたしてこの急登をまた登ることがあるのだろうか?
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    下山               早月尾根

雷鳥沢のサイト地に戻ると天気は回復、早月尾根から、剣岳の山頂が頭をのぞかせていた
掴めると思っていたCフェースをつかみ損ねちゃいました、思ったより遠いところにありました。
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2013.07.28 / Top↑
まとめ